株式会社たみつ建匠舎が資金調達、株式会社山陰合同銀行の「ごうぎん SDGs 私募債(寄贈型)」を活用
株式会社たみつ建匠舎が私募債を発行し資金調達、株式会社山陰合同銀行が引受
株式会社たみつ建匠舎が、2024年8月26日に「ごうぎん SDGs 私募債(寄贈型)」を発行し、資金調達を行いました。株式会社山陰合同銀行がこの私募債を引き受け、財務代理人を務めています。この取り組みにより、地域社会への貢献と持続可能な社会の実現に向けた一歩が踏み出されました。
このニュースのポイント
- 企業の社会貢献: 「ごうぎん SDGs 私募債(寄贈型)」は、財務健全性だけでなく、教育機関や地域スポーツチームなどへの寄贈を行う社会貢献度の高い私募債です。
- 連名での寄贈: 発行企業と銀行が共同で私募債の一部を地域団体に寄贈する取り組みが特徴です。
- 無担保社債: 50,000,000円の無担保社債が発行され、企業の財務健全性が高く評価されています。
- 3年の発行期間: 発行期間は3年で、長期的な資金調達を見据えています。
株式会社たみつ建匠舎と私募債について
株式会社たみつ建匠舎は島根県出雲市を拠点に総合建設業を営む企業です。地域に根ざした事業を展開し、持続可能な社会の実現に向けた活動にも積極的に取り組んでいます。
- 会社名: 株式会社たみつ建匠舎
- 代表者: 代表取締役 多々納光弘
- 所在地: 島根県出雲市中野美保南
- 事業内容: 総合建設業
- 私募債名: ごうぎん SDGs 私募債(寄贈型)
- 金融機関: 株式会社山陰合同銀行
- 発行日: 2024年8月26日
- 発行金額: 50,000,000円
- 資金使途: 不明
- 発行期間: 3年
- 返済方法: 不明
ごうぎんSDGs私募債(寄贈型)の概要
ごうぎんSDGs私募債(寄贈型)は、山陰合同銀行が提供する社会貢献型の金融商品です。この商品は、企業の資金調達ニーズに応えながら、同時にSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することを目的としています。
仕組み
- 企業が私募債を発行する際、その発行額の一部(0.2%)を山陰合同銀行が拠出します。
- この拠出金は、SDGsの達成に貢献する団体や施設への寄付金として活用されます。
対象となる寄贈先
- 地域の学校や福祉施設
- 環境保護団体
- その他、SDGsの目標達成に寄与する団体
関連:私募債の種類
メリット
- 資金調達と社会貢献の両立
新設法人にとって、資金調達は重要な課題です。この商品を利用することで、必要な資金を調達しながら、同時に社会貢献活動に参加できます。 - 企業イメージの向上
SDGsへの取り組みは、現代の企業にとって重要な課題です。この私募債を通じて、創業初期からSDGsに貢献する姿勢を示すことで、企業イメージの向上につながります。 - 地域社会とのつながり強化
寄付先を地域の団体や施設から選ぶことで、地域社会との関係構築に役立ちます。これは、新設法人が地域に根ざした事業展開を目指す上で大きな利点となります。 - SDGs達成への具体的な貢献
新設法人が直接的にSDGsに貢献する活動を行うのは難しい場合もありますが、この私募債を通じて間接的に貢献することができます。
詳しくは”私募債のメリット”で確認できます。
利用にあたっての注意点
- 私募債の発行には一定の財務基準を満たす必要があります。新設法人の場合、これらの基準を満たすことが課題となる可能性があります。
- 発行金額や期間などの条件については、山陰合同銀行の担当者と詳細な相談が必要です。
ごうぎんSDGs私募債(寄贈型)は、新設法人の創業者にとって、資金調達と社会貢献を同時に実現できる魅力的な選択肢です。ただし、私募債発行の要件や具体的な条件については、個別に確認する必要があります。
私募債とは
私募債とは、企業が特定の投資家や金融機関を対象に発行する債券の一種で、通常、発行企業の知名度や財務状況に応じて条件が設定されます。公募債と異なり、私募債は広く一般に販売されることはなく、特定の範囲内での募集となるため、発行手続きが比較的簡素であることが特徴です。資金調達の手段として、特に中小企業にとっては利用しやすい点が魅力です。
私募債の種類には、大きく分けて無担保私募債、担保付私募債、保証付私募債などがあります。無担保私募債は、担保を提供せずに発行されるため、企業の信用力が求められます。一方、担保付私募債は不動産や有価証券を担保にして発行されるため、企業の信用度に関係なく資金調達がしやすい特徴があります。保証付私募債は、金融機関や信用保証協会の保証が付くことで、投資家にとってリスクが低く、発行企業にとっては信頼性が向上します。
私募債の利用は、発行企業にとって資金調達の柔軟性を提供する一方、投資家にとってもリスクとリターンをバランスよく提供する投資機会となります。さらに詳しくは、「私募債の種類」をご覧ください。
中小企業が私募債を利用するメリット
中小企業が私募債を利用することには、いくつかの大きなメリットがあります。以下にその代表的なポイントを挙げます。
- 資金調達の柔軟性
私募債は、企業のニーズに合わせて発行条件を柔軟に設定できるため、特に中小企業にとっては非常に使いやすい資金調達手段です。公募債のように広範囲の投資家に販売する必要がないため、条件設定が企業側の事情に合わせやすいという利点があります。 - 信用力の向上
保証付き私募債を発行することで、銀行や信用保証協会からの保証を得ることができ、企業の信用力が向上します。これにより、投資家からの信頼を得やすくなり、資金調達が円滑に進む可能性が高まります。 - 低コストでの発行
私募債は、公募債に比べて発行にかかるコストが低いため、中小企業でも手軽に利用できる点が魅力です。発行手続きが簡略化されていることや、広範な広告活動が不要であることが、コスト削減につながります。 - 企業イメージの向上
私募債の発行を通じて、企業は市場での存在感を示すことができます。銀行や信用保証協会の保証を受けていることは、企業の健全な経営を示す証となり、取引先や顧客からの信頼度向上にも寄与します。
これらのメリットにより、中小企業にとって私募債は資金調達の有力な選択肢となっています。さらに詳しくは、「私募債のメリット」をご覧ください。
中小企業が私募債を利用するデメリット
中小企業が私募債を利用する際には、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。以下に代表的なデメリットを挙げます。
- 資金調達額の制限
私募債は、通常公募債に比べて発行規模が小さいため、大規模な資金調達が必要な場合には不向きです。特に中小企業の場合、発行できる金額が限られていることが多く、十分な資金を確保できない可能性があります。 - 発行条件の厳格さ
保証付き私募債の場合、保証を提供する金融機関や信用保証協会の厳しい審査が行われます。この審査に合格しないと発行が困難になり、また、審査に時間がかかることもデメリットの一つです。さらに、保証料や手数料などの発行コストも発生します。 - 返済義務の発生
私募債は借入金であるため、元本の返済義務が発生します。特に業績が悪化した場合、返済が大きな負担となり、企業のキャッシュフローに悪影響を与える可能性があります。このリスクは、事前に十分に検討しておく必要があります。 - 市場流動性の低さ
私募債は特定の投資家に対して発行されるため、公募債に比べて市場での流動性が低い傾向にあります。これにより、発行後に投資家が簡単に売買できない場合があり、発行企業にとっても再調達の柔軟性が制限される可能性があります。
これらのデメリットを考慮し、私募債の利用が企業にとって最適かどうかを慎重に判断することが求められます。さらに詳しくは、「私募債のデメリット」をご覧ください。
中小企業が資金調達に私募債を発行するプロセス
中小企業が私募債を発行して資金調達を行う際のプロセスは、以下のようになります。
- 資金調達計画の策定
まず、企業は資金調達の目的と必要な金額を明確にし、私募債発行が最適な手段であるかどうかを判断します。計画段階で、資金使途や返済計画を詳細に検討します。 - 金融機関との相談
次に、企業は取引のある金融機関や信用保証協会に相談し、私募債発行に向けた準備を進めます。保証付きの場合、金融機関からの審査を受けることになります。 - 発行条件の決定
審査に合格した後、発行金額、利率、償還期間などの具体的な発行条件を決定します。これらの条件は、企業の財務状況や市場の状況を考慮して決められます。 - 私募債の発行
発行条件が確定したら、私募債の発行手続きが開始されます。必要な書類を整備し、投資家や金融機関との契約を結びます。これにより、資金が企業に供給されます。
このプロセスを適切に管理することで、中小企業は効果的に資金調達を行うことができます。
私募債発行の税務上の取り扱い
私募債の発行には、税務上の取り扱いについても注意が必要です。以下にその主なポイントを解説します。
- 利息の経費算入
私募債の発行に伴う利息支払いは、企業の損金に算入できるため、税引前利益を圧縮し、法人税の負担を軽減することができます。ただし、支払利息にかかる税務処理は、企業の会計方針によって異なる場合があります。 - 印紙税の負担
私募債発行に関連する契約書や借入申込書には、印紙税が課せられます。契約金額や書類の内容によって印紙税額が異なるため、発行前に正確なコストを見積もることが重要です。 - 法人税への影響
私募債発行により調達した資金は、企業の負債として計上されます。負債比率が高くなると、法人税の計算に影響を与える場合があるため、企業の資本構成に注意を払う必要があります。
企業は、これらの税務上の取り扱いを正確に把握し、適切な税務処理を行うことが求められます。
私募債発行の会計処理
私募債発行における会計処理は、以下のような流れになります。
- 私募債発行時の処理
私募債発行時、調達した資金は「現金および現金同等物」として資産に計上され、同時に「社債」として負債に計上されます。 - 利息の支払い処理
私募債に対する利息の支払いは、損益計算書上で「支払利息」として計上され、企業の損益に影響を与えます。これにより、支払利息は費用として扱われ、税引前利益を減少させる効果があります。 - 償還時の処理
私募債が償還されると、「社債」項目が減少し、償還に使用された現金が資産から減少します。償還時に発生する手数料なども、適切に処理される必要があります。 - 社債発行費用の償却
発行時にかかる手数料や発行費用は、「社債発行費用」として資産計上され、償還期間にわたって償却されます。これにより、発行費用が年度ごとの損益に与える影響が平準化されます。
これらの会計処理を正確に行うことで、企業の財務諸表における透明性を確保することができます。
私募債発行の留意点
私募債発行にはいくつかの留意点があります。以下に主要なポイントをまとめます。
- 信用力の維持
私募債を発行する企業は、常に高い信用力を維持することが求められます。特に保証付き私募債の場合、保証を提供する金融機関の信頼を得るためには、企業の財務状況や経営の健全性が重要です。 - 返済計画の策定
私募債の発行時には、明確な返済計画を立てることが不可欠です。返済計画が不十分であると、返済期限が迫った際にキャッシュフローに負担がかかり、企業の経営に悪影響を与える可能性があります。 - 法的手続きの適正化
私募債発行には、法的手続きを正確に行う必要があります。書類の不備や契約内容の不適切さが問題となると、法的トラブルが発生するリスクがあります。法的専門家の助言を受けながら、手続きを進めることが重要です。 - 市場環境の把握
私募債を発行するタイミングも重要です。市場金利や経済状況を見極め、最も有利な条件で資金を調達できる時期を選ぶことが、企業にとって大きなメリットとなります。
これらの点を考慮し、私募債の発行を成功させるための計画を慎重に立てることが重要です。
私募債と他の資金調達方法の比較表
資金調達方法 | 資金調達額 | 返済義務 | 発行コスト | 利率 | 市場流動性 |
---|---|---|---|---|---|
私募債 | 中程度 | あり | 低 | 中程度 | 低 |
銀行融資 | 高い | あり | 低 | 低 | なし |
公募債 | 高い | あり | 高 | 低 | 高い |
株式発行 | 高い | なし | 高 | なし | 高い |
株式会社たみつ建匠舎が発行した「ごうぎん SDGs 私募債(寄贈型)」は、単なる資金調達手段にとどまらず、地域社会への貢献を重視した取り組みであると感じます。地域の教育機関やスポーツチームに寄贈するという要素が、企業の社会的責任(CSR)を体現しており、持続可能な社会の実現を目指す姿勢が伺えます。このような活動が広がることで、企業と地域社会が共に成長する未来が期待されます。
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