奥村組が施工ミスで1カ月の指名停止処分
奥村組が施工ミスで1カ月の指名停止処分、九州整備局発注の航空基地工事で
九州地方整備局は12月5日、株式会社奥村組(大阪府大阪市)に対し、1カ月間の指名停止処分を行ったことを発表しました。同社が施工した「北九州航空基地建築工事」での施工ミスが原因です。
施工ミスの詳細と影響
問題となったのは、建物本体の鉄骨柱を固定するアンカーボルトの位置ずれです。基礎コンクリートに埋め込まれたアンカーボルトが、許容誤差範囲(±5mm)を超えて設置されていたことが判明。この施工ミスにより、設計の修正や追加工事が必要となり、当初の工期である2024年3月27日までに工事を完了することができませんでした。
この遅延は、単なる工期の遅れにとどまらず、以下のような広範な影響を及ぼしました。
- 第七管区海上保安本部北九州航空基地の供用開始の遅延
- 海上保安学校宮城分校北九州航空研修センターの使用開始の遅れ
- 関連する別途工事や業務の工期延長
なお、当該工事は2024年9月27日に完成しています。
処分の内容と根拠
九州地方整備局は本件を「過失による粗雑工事」と認定。工事請負契約に関する指名停止等の措置要領に基づき、2024年12月5日から2025年1月4日までの1カ月間、以下の処分を行いました。
- 九州地方整備局発注の一般競争入札への参加資格停止
- 指名競争入札における指名停止
今後の影響
奥村組は日本の大手建設会社の一つで、多くの公共工事を手がけています。今回の処分により、1カ月間は九州地方整備局管内での新規入札に参加できなくなりますが、既に受注している工事には影響はありません。
今回の事例は、公共工事における品質管理の重要性と、施工ミスが及ぼす社会的影響の大きさを改めて示すものとなりました。特に、海上保安庁の施設という重要なインフラ整備に関わる工事だけに、より慎重な施工管理が求められていたと言えるでしょう。
記事ライター
muro